土壌汚染対策の概要 ― 足元の大地を守るために
R7.10
私たちが暮らす街の景観は日々移り変わっています。古い工場が閉鎖され、跡地に商業施設や住宅が建ち並ぶ光景は珍しくありません。しかし、その足元に広がる「土壌」には過去の人間の活動が色濃く刻まれており、場合によっては健康被害のリスクを孕んでいることがあります。
こうした背景から生まれたのが「土壌汚染対策法」(以下「法」)です。平成15(2003)年に施行されたこの法律は、人の健康を守ることを第一目的に、土地利用の転換や有害物質の使用等の履歴に応じて調査・対策を求める枠組みを整えています。
■ 調査義務が生じるケース
- (1) 有害物質使用特定施設の廃止時
- (2) 一定規模以上の土地の形質変更に伴い知事等が汚染の恐れを認めたとき
- (3) 健康被害の恐れがあると認められたとき
いずれも法に基づく「指定調査機関」による調査を行い、結果を都道府県知事等に報告しなければなりません。
■ 区域の分類
要措置区域
汚染除去などの対応が不可欠と判断された土地です。
形質変更時要届出区域
掘削・造成時に汚染拡散の可能性がある区域です。
つまり、汚染の深刻度に応じて二段階で規制をかける仕組みになっています。
■ 大阪府条例の特徴
- ダイオキシン類を対象物質に追加
- 条例独自の対象施設を追加
- 用途転換時の調査義務
- 大規模土地改変時の調査義務
- 土地所有者の責務明確化
- 情報提供義務の設定
■ 制度の意義
こうした制度は一見負担に見えますが、汚染の拡散による将来リスクを防ぐために不可欠です。
むしろ、法的枠組みにより土地の安全性が可視化され、再開発や取引の透明性が高まるという利点もあります。
■ 最近の動向
近年では自主調査の重要性が高まっており、バイオレメディエーションや不溶化処理などの技術進歩により、コストや工期の縮減も進んでいます。
当センターは環境省の指定調査機関として長年の経験を有し、調査から対策まで幅広く対応しています。