新JIS K 0102 シリーズ(工業用水・工場排水試験方法)の制定について
EMATEC通信<Vol.5> R7.4
1. 背 景
JIS K 0102(工場排水試験方法)及びJIS K 0101(工業用水試験方法)は、 水質の環境基準や排水基準、土壌や廃棄物関連の規制など、環境関連の多くの法令等に引用されており、環境分析の分野において非常に重要な規格です。
当所が発行している計量証明書・分析結果報告書でもこの規格に準拠した旨の記載をしております。
この2つの規格は内容が重複していたところもあり、数年前から規格の統合と分冊化が順次進められ、2024年10月に新JIS K 0102シリーズの制定が完了したところです。
その改正内容は以下の通りです。
① 「JIS K 0102(工業用水・工場排水試験方法)」の統合により、現規格の「JIS K 0101(2017) 工業用水試験方法」と「JIS K 0102(2019) 工場排水試験方法」は、2025年10月に廃止
② 試験種によって5部構成の規格群に分冊化
第1部:一般理化学試験方法(2021年5月制定)
第2部:陰イオン類、アンモニウムイオン、有機体窒素、全窒素及び全りん(2022年10月制定)
第3部:金属(2022年10月制定)
第4部:有機物(2024年7月制定)
第5部:生物及び生物学的影響(2024年10月制定)
③ 環境の負荷低減を目的とした分析方法の転換、新規技術の追加
JIS K 0102 シリーズ 工業用水・工場排水試験方法制定説明会資料より (一般社団法人産業環境管理協会)
2. 今後の動向
新JIS の制定により、分析した内容や分析結果に違いはないのですが、章立てが大きく変更されたことによって引用する分析方法の記載内容が変わります。当所で記載している方法の記載例を挙げます。
・化学的酸素要求量(COD):JIS K 0102 17 滴定法
・カドミウム:JIS K 0102 55.4 ICP質量分析法
・化学的酸素要求量(COD):JIS K 0102-1 17 滴定法
( JIS K 0102 第1部17項 化学的酸素要求量 を引用)
・カドミウム:JIS K 0102-3 14.5 ICP質量分析法
( JIS K 0102 第3部14項 カドミウム(Cd)を引用)
これを受け、環境省ではこれまでJIS規格を引用していた告示について一部改正を予定しており、2025 年3月中に公示され、環境省告示等の告示は新JISに移行する見込みです。
3. 改正案の内容について
改正案対象については、以下の告示などが予定されています。
- 水質汚濁に係る環境基準について(S46年環告第59号)
- 排水基準を定める省令の規定に基づき環境大臣が定める排水基準に係る検定方法(S49環告第64号)
- 土壌の汚染に係る環境基準について(H3年環告第46号)
- 地下水に含まれる試料採取等対象物質の量の測定方法を定める件(H15環告第17号)
- 土壌溶出量調査に係る測定方法を定める件(H15環告第18号)
- 土壌含有量調査に係る測定方法を定める件(H15環告第19号)
- 地下水の水質汚濁に係る環境基準について(H9環告第10号)
- 水質汚濁防止法施行規則第6条の2の規定に基づき環境大臣が定める検定方法(H1 環告第39号)
- 水質汚濁防止法施行規則第9条の4の規定に基づき環境大臣が定める検定方法(H8 環告第55号)
- 特定水道利水障害の防止のための水道水源水域の水質の保全に関する特別措置法施行規則 第五条第ニ項の規定に基づく環境大臣が定める検定方法(H7年環告第30号)
- 特定悪臭物質の測定の方法(S47環告第9号)
- 臭気指数及び臭気排出強度の算定の方法(H7環告第63号)
但し、以下については2025年10月頃までに公示・移行の見込みです。
- 産業廃棄物に含まれる金属等の検定方法(S48環告第13号)
- 海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律施行令第五条第一項に規定する埋立場所等に排出しようとする廃棄物に含まれる金属等の検定方法(S48環告第14号)
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