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EMATEC通信 【Vol.4】 R7.1

保護具(マスク・手袋)の選定について

【保護具(マスク)】

労働衛生法の改正に伴い、溶接ヒュームの作業場や第3管理区分の作業場等で呼吸用保護具が適切に顔に密着しているかの確認を行うためにフィットテストが義務付けになり、労働者のばく露防止の観点からフィットテストが重要な検査となってきております。

当センターでは、法改正に伴いフィットテスト業務を約3年間実施してきていますが、約1~2割の方はフィットテストで不合格となり正しくマスクを着用できていないことが判明しております。

正しくマスクが着用できていない(マスクフィットテスト不合格)原因として多いのが以下の内容です。

 【マスクフィットテスト不合格原因】

①密着性の悪いマスクを使用(マスクの種類)

  • マスクの種類によって密着性は大きく違い、密着性の高いマスク選定が重要となります。

②マスクのサイズがあっていない

  • 会社で統一したマスクを購入し使用しているケースでは、顔の特徴によりどうしても合わないマスクを着けている場合があります。個人毎に顔にフィットしたマスクを購入していくことが大事です。

③マスクが正しく着用されていない

  • 位置が下方にずれている場合、締め紐が緩い場合が原因であることもあります。

④マスクの劣化

  • 半面型のマスクではラバー部分が劣化し密着性が悪くなってきます。定期的に交換が必要です。

呼吸用保護具には多くの種類があり、溶接ヒュームの作業場や化学物質の取扱い作業場では、主に半面型のマスクと使い捨てマスクを使用しております。半面型マスクは、吸収缶が付いたマスクで多種多様な吸収缶に交換することにより、いろんな化学物質に対応することが可能となります。また、半面型マスクは、顔にしっかり密着できる構造になっており、フィットテストでも不合格になる方は非常に少ない結果となっております。一方で使い捨てマスクは、各メーカーによってDS2に対応したマスクが販売されていますが、顔の密着性はマスクの種類によって大きく違ってきています。その中でも、排気弁がついているタイプ、内側にインナーが付いているタイプは、密着性が非常に高いマスクの構造となっており、作業者の健康障害防止の観点からもできる限り、このような密着性の高いマスクを選定して使用することをお勧めしております。

【保護具(手袋)】

保護手袋にも多くの種類がありますが、化学物質に対応した保護手袋についてご紹介いたします。
保護手袋の浸透性は材質と使用する化学物質によって大きく違っております。そのため、作業で使用する化学物質に合わせた保護手袋を選定することが重要となります。また、このような適切な保護具を選定するにはある程度の保護具についての知識が必要となり、法改正で選任事項となった保護具着用責任者や化学物質管理者の役割が重要になってきていると言えます。

化学物質の作業場で使用されている保護具の主な材質と特徴
材質長所短所
ニトリルゴム耐油性及び耐摩擦性酸、アルカリにより劣化
ラテックス(天然ゴム)安価で機械的強度に優れる油や有機溶剤に弱い)
ポリビニルアルコール有機溶剤の耐透過性水分劣化

 

防護手袋の法規制は以下のようになっております。
・2023年4月までの規制(皮膚刺激性有害物質、皮膚吸収性有害物質、特定化学物質等で規制)
・2023年4月以降(上記の規制に加えて「皮膚障害化学物質への直接接触の防止」として規制)

皮膚障害化学物質への直接接触の防止(2023.4)

皮膚・眼刺激性、皮膚腐食性または皮膚から吸収され、健康障害を及ぼす有害性
応じて、当該物質を製造しまたは取り扱う業務に従事させる場合には、
労働者に皮膚障害等防止用保護具を使用させること。

皮膚障害等防止用保護具とは?

  • 保護眼鏡、保護衣(不浸透性)、保護手袋、履物が対象となります。

健康障害を及ぼす有害性とは 

  • 皮膚等の健康障害のおそれについて
皮膚等の健康障害のおそれ2023年4月2024年4月
明らか努力義務義務
②ないことが明らかでない努力義務
③ないことが明らか保護具の着用は不要

皮膚等の健康障害のおそれの見分け方

使用している化学物質のSDSを確認してください。
「皮膚腐食性・刺激性」「眼に対する重篤な損傷性・眼刺激性」「呼吸器感作性又は皮膚感作性」
   ⇒A:  いずれかで「区分1」に該当している場合は「①明らか」となります。
   ⇒B:  「区分に該当しない」と記載があれば「③ないことが明らか」となります。
   ⇒C:  上記のA及びBにあてはまらない場合は「②ないことが明らかでない」となります。

当センターでは、保護手袋の浸透性の確認も行っております。お気軽にご相談下さい。

EMATEC通信【Vol.4】は、下記よりダウンロードできます。

環境法令情報

官公庁より公表された2024年8月~10月の主な環境法令等の情報を掲載しています。
各事項の詳細については、官報や所管省庁のホームページ等でご確認くださいご確認ください。

廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則の一部を改正する省令

  • 令和6年10月31日 環境省令第二十七号

特定物質等の規制等によるオゾン層の保護に関する法律第四条第二項の規定に基づき製造数量の許可申請受付期間を定める件

  • 令和6年10月11日 経済産業省告示 第百六十六号

脱炭素成長型経済構造への円滑な移行のための低炭素水素等の供給及び利用の促進に関する法律の施行期日を定める政令

  • 令和6年10月11日 政令第三百十三号

脱炭素成長型経済構造への円滑な移行のための低炭素水素等の供給及び利用の促進に関する法律施行令

  • 令和6年10月11日 政令第三百十四号

化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律施行令の一部を改正する政令

  • 令和6年9月27日 政令第三百十号
令和5年9月に開催された厚生労働省、経済産業省及び環境省の合同審議会において、ポリ(オキシエチレン)=アルキルフェニルエーテル(アルキル基の炭素数が9のものに限る。)(以下「NPE」という。)を第二種特定化学物質に指定するとともに、当該化学物質が使用されている水系洗浄剤について、表示の義務を課し、かつ技術上の指針の遵守を求める製品に指定することが適当であるとの結論が得られました。本政令は、これを踏まえ、化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律施行令(昭和49年政令第202号。以下「化審法施行令」という。)において、NPEを第二種特定化学物質に追加指定するとともに所要の改正を行うものです。(経済産業省HPより抜粋)

化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律第三十六条第一項の規定に基づき、NPE又は化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律施行令第九条に定める製品でNPEが使用されているものの取扱いに係る当該第二種特定化学物質による環境の汚染を防止するためにとるべき措置に関する技術上の指針を定めた件

  • 令和6年10月1日 厚生労働省、経済産業省、国土交通省、環境省告示第一号

NPE又はNPEが使用されている水系洗浄剤を取り扱う施設及び場所について、構造、点検管理等に係る技術上の基準が制定された。

  • 令和6年10月1日 厚生労働省告示、経済産業省告示、環境省告示 第七号

経済産業省関係フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律施行規則の一部を改正する省令

  • 令和6年10月1日 経済産業省令第六十五号

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