EMATEC通信<Vol.10>
R8.7
📌 背景と目的
近年、気温の上昇に伴い、職場における熱中症対策の重要性が高まっています。厚生労働省が公表した「2025年(令和7年)職場における熱中症による死傷災害の発生状況」によると、2025年の職場における熱中症による死傷者数は1,803人となり、統計を開始した2005年以降で最多となりました。
また、2025年には労働安全衛生規則の改正により、熱中症のおそれのある作業を行う際に、事業者に対して報告体制の整備や対応手順の作成等の措置が求められています。
⚠️ 現状と課題
2025年の熱中症による死傷災害については、製造業365人、建設業292人、運送業220人など、さまざまな業種で発生しています。
また、発生時期については、夏季に多く発生しており、特に暑い時期における対策の重要性が示されています。年齢別では、50歳代以上の割合が高い傾向が見られ、死亡災害においても同様の傾向が確認されています。
さらに、厚生労働省の資料では、熱中症による死亡災害事例の中に、
・熱中症予防のための労働衛生教育の未実施
・緊急時の報告体制や対応手順の未整備
・熱中症の重篤化防止措置の周知不足
などが確認された事例も報告されています。
✅ 熱中症防止のための取り組み
厚生労働省の「職場における熱中症防止のためのガイドライン」では、
熱中症対策として次のような内容が示されています。
・WBGT値(暑さ指数)の把握
・休憩場所や冷房設備等の整備
・水分・塩分の定期的な摂取
・作業負荷の軽減や休憩時間の確保
・通気性や透湿性の良い衣服の活用
・管理者、職長、作業者等への教育研修の実施
・体調不良時の報告体制や対応手順の整備・周知
熱中症は、屋外作業だけでなく屋内作業も対象とされており、業種や作業内容を問わず注意が必要です。特に、気温が高い時期においては熱中症のリスクが高まることから、日頃からの備えや体調管理が重要になります。また、暑熱順化(暑さに身体を慣らすこと)についても、熱中症対策として重要であるとされています。
🏢 当センターの取り組み
当センターでは、現場作業として炎天下での河川調査や土壌調査、高温環境での排ガスのサンプリングなど、建物内であっても空調が行き届いてない場所での分析準備作業など、管理業務として排水処理施設等の保守点検作業など、様々な場所と環境下での熱中症リスクが想定されます。そのため、熱中症のおそれがある職員を早期に見つけ、その状況に応じて迅速かつ適切に対処することにより、熱中症の重篤化を防止するため、状況の異なる部門ごとに体制を整備し、手順を作成して関係者への周知を行っています。また、数年前から空調服の着用や熱中症対策用の飲料水、塩分タブレットの配布などの取り組みも実施しています。
今後も、職場における安全衛生管理の一環として、熱中症予防に関する正しい知識の共有や、働きやすい職場環境づくりに取り組んでまいります。
📚 ■参考資料
・厚生労働省「2025年(令和7年)職場における熱中症による死傷災害の発生状況」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_73330.html
・厚生労働省「職場における熱中症防止のためのガイドライン」
📞 EMATECでは熱中症対策をはじめ、職場環境の改善につなげる作業環境測定や助言を行っています。いつでも下記までお問い合わせください!
☆連絡先:06-6583-3262
☆HP「環境相談窓口」:https://www.ematec.or.jp/consultation
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000116133.html
📄 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律施行令の一部を改正する政令
令和8年5月22日 政令第171号
https://www.env.go.jp/press/press_04704.html
概要
(1) 第一種特定化学物質の指定
以下の化学物質を第一種特定化学物質に追加指定する。
① ペルフルオロアルカン酸(炭素数が九から二十一までのものに限る。)
(別名LC-PFCA。以下「長鎖ペルフルオロアルカン酸」という。)又はその塩
② 長鎖ペルフルオロアルカン酸関連物質(フッ素原子、塩素原子及び臭素原子以外の原子と直接に結合するペルフルオロアルキル基(炭素数が八から二十までのものに限る。)を有する化合物であつて自然的作用による化学的変化により長鎖ペルフルオロアルカン酸を生成するものとして厚生労働省令、経済産業省令、環境省令で定める化学物質(ペルフルオロオクタン酸関連物質を除く。)をいう。)
③ チオりん酸O,O-ジエチル-O-(三・五・六-トリクロロ-二-ピリジル)(別名クロルピリホス)
④ ポリ塩化直鎖パラフィン(炭素数が十四から十七までのものであつて、塩素の含有量が分子量の四十五パーセント以上のものに限る。)(別名MCCP)
(2) 第一種特定化学物質が使用されている場合に輸入することができない製品の指定
第一種特定化学物質となる「LC-PFCAとその塩」、「LC-PFCA関連物質」又は「MCCP」が使用されている場合に輸入することができない製品として「潤滑油」等を、「クロルピリホス」が使用されている場合に輸入することができない製品として「木材用の防虫剤」を定める。
(3) 第一種特定化学物質が使用されている場合に取扱い等に係る基準に従わなければならない製品の指定
取扱い時に国が定める技術上の基準等に従わなければならない製品として、当分の間、「LC-PFCAとその塩」及び「LC-PFCA関連物質」が使用されている消火器、消火器用消火薬剤及び泡消火薬剤を定める。
(4) 経過措置等
その他所要の経過措置等を設ける。
🗓️ 施行
令和8年5月22日(概要(4)の一部)
令和8年11月22日(全面施行)
📄 労働安全衛生法及び作業環境測定法の一部を改正する法律の一部の施行に伴う関係政令の整備に関する政令
令和8年6月17日 令和8年政令第196号
意見募集期間:令和8年4月23日~5月24日まで ➡終了しています。
https://public-comment.e-gov.go.jp/pcm/detail?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=495260028&Mode=0
概要
労働安全衛生法および作業環境測定法の制度見直しに伴い、「個人ばく露測定」が正式に制度上位置付けられました。今回の改正は「作業環境の測り方」と「対象となる作業場の範囲」を明確化するもので、具体的には、安衛法第65条の3第1項から第3項までの規定に係る指定作業場を規定する等の改正を行うものです。
🗓️ 施行
令和8年10月1日
📄 「環境影響評価法施行令の一部を改正する政令案」パブリックコメント募集
意見募集期間:令和8年6月2日から7月1日まで
https://public-comment.e-gov.go.jp/pcm/detail?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=195260012&Mode=0
概要
〇太陽電池発電事業の規模要件の見直し(本政令案本則)
太陽電池発電事業について、法第2条第2項に規定する第一種事業の規模に係る要件は、現行の環境影響評価法施行令(平成9年政令第346号。以下「令」という。)
第1条及び別表第1において、
・出力が4万キロワット以上である太陽電池発電所の設置の工事の事業
・出力が4万キロワット以上である発電設備の新設を伴う太陽電池発電所の変更の工事の事業
とされているところ、これを改正し、
・出力が2万キロワット以上である太陽電池発電所の設置の工事の事業
・出力が2万キロワット以上である発電設備の新設を伴う太陽電池発電所の変更の工事の事業
と変更する。
また、太陽電池発電事業に係る第二種事業の規模に係る要件は、令第7条及び別表第1において、
・出力が3万キロワット以上4万キロワット未満である太陽電池発電所の設置の工事の事業
・出力が3万キロワット以上4万キロワット未満である発電設備の新設を伴う太陽電池発電所の変更の工事の事業
とされているところ、これを改正し、
・出力が1万5000キロワット以上2万キロワット未満である太陽電池発電所の設置の工事の事業
・出力が1万5000キロワット以上2万キロワット未満である発電設備の新設を伴う太陽電池発電所の変更の工事の事業
と変更する。
〇経過措置(本政令案附則第2項)
現行の第二種事業のうち、本政令案の施行により第一種事業に該当することとなる太陽電池発電事業については、既に環境影響評価法に基づく手続を開始していれば、本政令の施行日以後も引き続き第二種事業として手続を行う。
🗓️ 施行
令和9年4月1日予定